2007年の収穫。
別にね、今の俺らのこういう関係が、ここから先たとえば、いつまでも系にはならないわけじゃない? でも、俺思うんだけどさ、いつまでも系の方が関係としてランクが上だとか、ランクが上だったら二人はいつまでも系になって、そうじゃないからこの関係はそうならなかったとか、なれなかったとか、そういうことじゃ絶対にないじゃない。分かるでしょ? ――女は分かるよと言った――うん、でもそれってすごいラッキーっていうか、この五日間一緒に過ごした相手がたまたまそういうことが分かる人だったっていうのはね、スペシャルなことだよなあって思うんだよね。そういうことみんなが分かるわけじゃ別にないからさ、ほんと、超スペシャルなことだと思うんだよ。超スペシャルとか言って、ただやってただけだろお前ら、って話もあるけど
――岡田利規『三月の5日間』より(新潮社『わたしたちに許された特別な時間の終わり』収録,2007)
男 あ、そういうことか
妹 、、何が
男 いや、なんか、もやもやしてたのが、晴れたわ
妹 、、、
男 なんかさ、俺、全然、大丈夫なんだよね別に今のまま
でも
妹 、兄ちゃんそれ甘えなんじゃないの、甘ったれなんじゃ
ないの
男 何に甘ったれてんだよ
妹 え、、、世間
男 、、、、そういうことか
妹 どういうことよ
男 いや、俺はなんとかやっていけるんじゃないか、、逆に
お前みたいに色々考えてると駄目なんだよ
妹 、、、
男 、、一理あるだろ
妹 ねえよ
――前田司郎『偉大なる生活の冒険』より(小学館『せりふの時代vol.47』収録,2008)
2008年が後半に突入。迷ってる暇もない。
さて先日、『すばる』にチェルフィッチュの岡田利規と、ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕の対談が掲載されていたので、衝動的に購入。
短くもディープな内容に満足。
多少、時間が経過してしまったけれども、今年、岡田利規は初の小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で大江健三郎賞を受賞した。
その少し前には、五反田団の前田司郎が『生きてるものはいないのか』で岸田國士戯曲賞を受賞。
この二作品にリアルタイムで触れることができたのは、個人的に2007年最大の収穫だったと言える。
『生きてる~』は京都芸術センターまで足を運んで観た。
その後、前田作品は『偉大なる生活の冒険』を戯曲で読み、『さようなら 僕の小さな名声』をテレビ放送で観たくらいだけれど、今から思い出しても『生きてる~』は頭ひとつふたつ抜けていた印象が強い。
そういえばチェルフィッチュも、最初の観劇は同じく京都のフリースペースだったっけ。
こちらはやや実験作の趣が濃く、その後テレビで観ることのできた『三月の5日間』の衝撃度の方が圧倒的だったけれども。
その小説版を含む、岡田利規の『わたしたちに~』も、刊行からそれほど間を置かずに読むことができた。
最近でこそ、小説を書く演劇人が(映画監督も)増えているが、その中でも、やはり出色の出来だと思う。
『フリータイム』もものすごく観たかった。
ちなみに倉持裕はまだ小説には手を伸ばしていないが、いずれ小説という表現に見合った題材が見つかれば、と発言しているので、今後は期待できるか。
あー。
東京はどんどん面白いことになってるよー。
頑張れよ大阪。
でも、あのお方がねぇ…。
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