リンクするということ。

物語に触れていると、ふと、こういうことが起こるからおもしろい。

まあ、偶然と言ってしまえば偶然。

けれども何というか、どこかで見えない力がはたらいてるような。

そんなフィクショナルな予感と興奮。

 

先ごろ、真藤順丈の『RANK』という小説を読了。

この人、デビューしたての若手ながら、なかなかの曲者で。

もともと映画とかを撮っていた映像畑の人なんですが、ある時期から平行して小説の執筆と文学賞への応募を開始。

それもなんと、ひと月に1作品を完成させ投稿するという、殺人的なノルマを自分に課しながらの超ストイックな創作活動に、数年間いそしんで。

その結果、2008年。

『地図男』でダ・ヴィンチ文学賞を。

『庵堂三兄弟の聖職』で日本ホラー小説大賞を。

『RANK』でポプラ社小説大賞特別賞を。

そして『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で電撃小説大賞銀賞を。

それぞれ、トリプル+1受賞したという。

何ともまあドラマに出てきそうな経歴を刻んでのデビューを果たした、「驚異の新人」を地で行っている作家さんなのです。

と、以上はまあ、単なる解説。

いったい何に興奮してるかってーと。

ほんの二日ほど前に、GyaO!で無料配信が始まっていた曽利文彦監督の『ベクシル』という映画を観たばかりだったのですが。

しかも、別に前々から観たかったとかではなく、たまたまネット上で見つけて、ノリで観てみたら結構楽しめた、ていう感じだったのですが。

その『ベクシル』と、前述の『RANK』。

何の作為もなく続けて鑑賞したこの2作品が、非常に多くの共通項を持っていたこと。

そのリンクに、おおっ! てなったのです。

ただ、どちらもそれぞれ、作品中にある“謎”を孕んだまま進む話であるため、ここで詳細を語れないのが残念ですが。

特に後者については、かなり核心に触れる部分になってしまうので。

しかし『RANK』は…まさか話がそっちに転がっていくとは思ってなかった。

その意外性とエンタメ性もさることながら。

この容量をこの枚数におさめるとは。

いやはや「驚異の新人」の二つ名はダテじゃなかったです。

 

見えない糸に導かれるように。

遠くにあった点と点が。

とつぜん線になり、像を結ぶ瞬間。

そんな時、何ともいえない快感と興奮が走りますね。

…のは、僕だけかしら。笑

ものをつくる時にも、こういったリンクはよく起こります。

ただ何となく思いついただけの役柄の設定が、演じたキャストの実体験とモロにかぶったりとか。

作品のテーマソングを探していて、たまたま手に取った曲の歌詞が怖いくらい内容にドンぴしゃりだったりとか。

そういう奇妙な巡り会わせに多く出会えた時ほど、作品も豊かなものになっている気がします。

表現をやめられない要因のひとつですね。

あ、そういえば。

ちょっと前にもありました。思い出した。

平山瑞穂の『マザー』という小説と、綾辻行人の『Another』という小説を立て続けに読んだ時に。

おや。

つーか、この二つは、タイトルがそもそも近いですね。笑

この時は偶然どちらも、その世界を支配している“都市伝説”というか、ある“現象”が存在していて、その“現象”のルールを解き明かし、食い止めようとする物語で。

双方ともリーダビリティが高かったこともあり、根底のテーマのつながりに興奮しながら読み進めたのを覚えています。

特に『マザー』の着想は、シンプルながら素晴らしく魅力的で、楽しみました。

作品の中に潜む、大きな問いかけも含め、オススメです。

 

以下記録。

【MOVIE】
◆『告白』 監督:中島哲也,原作:湊かなえ,2010
◆『孤高のメス』 監督:成島出,原作:大鐘稔彦,2010
◆『アイアンマン2』 監督:ジョン・ファヴロー,2010
◆『ベクシル 2077 日本鎖国』 監督:曽利文彦,2007(ANIME)

【NOVEL】
◆『マザー』 著:平山瑞穂,小学館,2010
◆『Another』 著:綾辻行人,角川書店,2009
◆『RANK』 著:真藤順丈,ポプラ社,2009
◆『深い河(ディープ・リバー)』 著:遠藤周作,講談社文庫,1996

【COMIC】
◆『まるいち的風景』1~2巻 著:柳原望,白泉社文庫,2008
◆『金髪の草原』 著:大島弓子,朝日ソノラマ,2000

 

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'10年5月3日付

昨年1年間からこの4月にかけて観たもの、読んだものをまとめてみました。

これからは3~4ヶ月に1回くらいのペースで何とか、まとめていきたいと思ってます。

【PLAY】

◆『いきなりベッドシーン』 柿食う客 企画公演 七味まゆ味ひとり芝居,作・演出:中屋敷法仁,2010

◆『来来来来来』 劇団、本谷有希子 14回公演,作・演出:本谷有希子,2009

◆『LOVE30VOL.3 PARCO presents,作:後藤法子/藤本有紀/横田理恵,演出:宮田慶子,2009

◆『TOWER ラーメンズ 17回公演,作・演出:小林賢太郎,2009

◆『空の定義』 俳優座劇場プロデュース No.79,作:青木豪,演出:黒岩亮,2008TV

◆『乱暴と待機』 劇団、本谷有希子 9回公演,作・演出:本谷有希子,2005DVD

MOVIE

◆『パレード』 原作:吉田修一,監督:行定勲,2010

◆『今度は愛妻家』 原作:中谷まゆみ,監督:行定勲,2009

◆『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』 原作:太宰治,監督:根岸吉太郎,2009

◆『女の子ものがたり』 原作:西原理恵子,監督:森岡利行,2009

◆『いけちゃんとぼく』 原作:西原理恵子,監督:大岡俊彦,2009

◆『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 総監督:庵野秀明,2009

◆『ヘブンズ・ドア』 監督:マイケル・アリアス,2009

◆『GOEMON 監督:紀里谷和明,2008

◆『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 監督:ケニー・オルテガ,2009

◆『私の中のあなた』 原作:ジョディ・ピコー,監督:ニック・カサヴェテス,2009

◆『サブウェイ123 激突』 原作:ジョン・ゴーディ,監督:トニー・スコット,2009

◆『ニューヨーク、アイラブユー』 監督:チアン・ウェン/ミーラー・ナーイル/岩井俊二/イヴァン・アタル/ブレット・ラトナー/アレン・ヒューズ/シェカール・カプール/ナタリー・ポートマン/ファティ・アキン/ジョシュア・マーストン/ランディ・バルスマイヤー,2008

◆『スラムドッグ$ミリオネア 原作:ヴィカス・スワラップ,監督:ダニー・ボイル,2008

◆『愛を読むひと』 原作:ベルンハルト・シュリンク,監督:スティーヴン・ダルドリー,2008

◆『紀子の食卓』 監督:園子温,2005DVD

◆『運命じゃない人』 監督:内田けんじ,2004DVD

◆『鏡の女たち』 監督:吉田喜重,2002DVD

◆『潜水服は蝶の夢を見る』 原作:ジャン=ドミニク・ボビー,監督:ジュリアン・シュナーベル,2007DVD

◆『善き人のためのソナタ』 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク,2006DVD

◆『トゥモロー・ワールド』 原作:PD・ジェイムズ,監督:アルフォンソ・キュアロン,2006DVD

◆『ダ・ヴィンチ・コード』 原作:ダン・ブラウン,監督:ロン・ハワード,2006DVD

◆『クラッシュ』 監督:ポール・ハギス,2005DVD

◆『マルホランド・ドライブ』 監督:デヴィッド・リンチ,2001DVD

◆『ドニー・ダーコ』 監督:リチャード・ケリー,2001DVD

NOVEL

◆『失われた町』 著:三崎亜記,集英社文庫,2009

◆『ダイナー』 著:平山夢明,ポプラ社,2009

◆『デパートへ行こう!』 著:真保裕一,講談社,2009

◆『ラットマン』 著:道尾秀介,光文社,2008

◆『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb 著:道尾秀介,講談社,2008

◆『狐火の家』 著:貴志祐介,角川書店,2008

COMIC

◆『新世紀エヴェンゲリオン』 12巻,著:貞本義行,角川エースコミックス,2010

◆『東京命日』 著:島田虎之介,青林工藝社,2005

ESSAY etc

◆『労働者K 著:ケラリーノ・サンドロヴィッチ,角川学芸出版,2009

◆『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』 著:町山智浩,文藝春秋,2008

◆『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』 著:よしながふみ,太田出版,2007

 

さまざまでいろいろですが、いざこうして振り返ってみると、

「気づけばそばにあったもの」

というような言葉で共通項が見出せる、

ような気がしました。

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